自閉症の利用者さんとの公園遊びと困った時の対処方法!!
ごきげんよう!こばりんです!
今回は自閉症の利用者さんとの公園遊びについてお話したいと思います。
実際にK君という中学生の男の子を担当した時の実体験になりますので少しでも参考になれば嬉しいです。
- 発達障害について知りたい人
- これから発達支援の仕事をする人
自閉症の利用者さんK君の普段の様子
まずは先日担当した中学1年生の自閉症の利用者さん(以下K君とします)の普段の様子からお話します。
あくまで私が担当した利用者さんの場合なので、みんながみんなこう!というわけではありません。
参考の一つとして読んでいただければ幸いです。
- 大きな物音や雑音を嫌いヘッドホンをしている事が多い
- 急に止まったり走り出す
- 気分が乱れると叫びだす事がある
- みんなで何かするというよりは自分の好きな事をただひたすらにやっている
- 会話はあまり成立しない
- 興味ないことはやりたがらない
普段の活動は以下のような感じです。
- 音楽を聴く
- 絵を描く(1発描きのような漫画を描く事もある)
- ピアノの鍵盤がついた絵本(自分の私物を持って来ている)
施設にはK君の専用のスケジュール表があって、来所して来たらまず自分でスケジュールを決めてもらいます。
朝の会やレクリエーションの合間の中に彼の好きな事を組み込んでいくという形です。
自分でスケジュールを組む事で、
じゃぁ朝の会の後に15分絵を描いたら、レクリエーションだからね?
こばりん
と言うと本人も約束してくれたり、タイマーを使って
これが鳴ったら終わりね?
こばりん
というように何かしらサインを送る事で次の活動に進みやすくなります。
大きな物音や雑音を嫌うため、教室に居る事はほとんどなく、廊下にK君専用のスペースを作ってそこで活動するようにしています。
自閉症の利用者さんK君との公園遊びはこんな感じでした。
それでは実際にK君と公園遊びに行った時の様子をお話したいと思います。
グループごとに分かれて公園遊びに出かけたのですが、施設内にも様々な人間関係があります。
その中にK君の苦手な利用者さんMさんも居ました。
彼女もまた自閉症で、気持ちが高ぶると壁を殴ったり叫びだしたりします。
K君は雑音や大きな声を出されるのが嫌なのもあって、彼女が苦手でした。
K君と公園に行くまで・・・・
彼女も一緒だという事が分かると、K君は公園へ出かける時間になってもなかなか外に出ようとしません。
ヘッドホンをしたまま耳を抑えて施設の玄関から離れようとせず、クラスの責任者の職員も一緒になだめて何とか歩き出しました。
道路に急に飛び出したりすることもあるので他の利用者さんの時は腕を組んだりして歩くのですが、K君は歩く時に腕を組んだり手を繋ぐのを嫌がります。
なので、後ろから背中をそっと支えるような形で連れて行くのですが、何かあるとすぐに止まったりするのでなかなか先へ進めません。
K君と公園にて・・・。
どうにかこうにか他の職員の先生の協力もあって公園にたどり着きました。
公園に着くとK君はまず大きな木にしがみついて周りを見渡します。
自然の風が気持ちいいのか、一緒にベンチに座ってお茶を渡したらちょっと笑ってくれました。
それからパンダの乗り物に乗ったり、公園内にある小山に登ってみたり楽しく過ごせました。
K君は絵を描くのが好きなので
今見た景色も後で描こうね!K君の絵、とっても上手だからさ。
こばりん
と話しかけたりします。
それに対して反応が返ってくることはあまりありませんでしたが、K君が楽しそうに過ごしてくれた事が一番の収穫です。
そして帰り道もまた・・・・
一筋縄でいかないのがK君でした(笑)。
笑顔は可愛いのですが!!!!
Mさんがちょうど不穏な空気を漂わせていたのを察知して、Mさんの姿が見えなくなるまで彼は公園内から動こうとしませんでした。
Mさんの叫び声や暴れている姿を見てしまってK君は再びヘッドホンの上から耳を抑えます。
彼女の姿が見えなくなったらようやく公園内から出たのですが、今度は信号が赤でも走り出そうとしたり本当に目が離せません!!
ありとあらゆる方法でK君を施設まで連れて帰ったのですが、次の日筋肉痛でした(笑)。
この時の詳しい内容は次の見出しでまた触れたいと思います!
自閉症の利用者さんとの公園遊びにて困った時の対処方法!
さて、こんな風に行きから帰りまで実際にやった対処方法を紹介したいと思います!
- 利用者さんの好きな事をうまく活用する
- 苦手な人間関係や刺激になりそうな対象物を見えないようにする
- 他の職員さんに手伝ってもらう
それでは1つずつ詳しく説明したいと思います!
利用者さんの好きな事をうまく利用する
K君は米津玄師さんが好きでよくLemonの歌詞を呟いて(?)居ます。
よく帰りの送迎で一緒に歌ったりしていたので、大変恐縮ではございましたが、Lemonの替え歌を作って 「もう帰ろうよ」という気持ちを歌にして気を引きました(笑)。
歌詞の一部がこちらです。(夢ならば~の部分に合わせて歌ってみてください)
「もう帰る時間が 来たみたいだ そろそろお昼だし お腹空いたよね
私も君もきっと同じ気持ち 早く帰ってご飯にしよう
ここから早く立ち去らないと 君の事待ってる人が居るよ」
(替え歌作:こばりん)
米津玄師さん、そのファンの方ごめんなさい。そしてありがとうございます!
おかげ様で少しヘッドホンをずらして歌を聴いてくれて乗ってくれたので、なんとか施設までたどり着きました!
苦手な人間関係や刺激になりそうな対象物を見えないようにする
帰り道はMさんが通って行った道とは反対側を歩いて帰りました。
帰りはK君は反対側の道路通って帰った方がいいかも!
先輩職員
と先輩職員からのアドバイスがありました。
その日のK君はMさんの事で立ち止まったりしていたので、Mさんとはなるべく距離を取って刺激を与えないようにする、との事でした。
結局Mさんが見えなくなるのを待っていたら結果として、一人だけ遅れて帰る形になりました。
他の職員さんに手伝ってもらう
これはもう最終手段ですね。
やはり上のような事が理由で予定より大幅に遅くなってしまっているからか、途中で先輩職員が戻って来てくれました。
後ろから一緒についてくる形でK君が立ち止まったりするとフォローしてくれました。
それとの合わせ技で上記で紹介した替え歌で何とか施設までたどり着けたという訳です(笑)。
利用者さん達との公園遊びの時の注意点
活動となると1人だけを連れて行くわけではないので、ありとあらゆる事に目を配らなければなりません。
思いつく限りを書き出してみるとこんな感じですかね。
- 目を離さない
- 個別対応が必要な利用者さんでなくとも1人にしない
- 適度な水分補給
- 人間関係や他害行為のある利用者さんとの距離感に気を付ける
- 移動中は飛び出さないように注意する
- その場を離れる時は職員同士で声を掛け合う
書き出すときりがないですね・・・。
無事に連れて帰れた時は本当に安心して力が抜けたのを覚えています(笑)。
いつかこういう事もささっとこなせるようになりたいものです!
まとめ
今回は自閉症の利用者さんとの公園遊びについてお話させていただきました。
公園遊びは遊ぶだけでなくて、行くときや帰るときも気を抜けないという事がよく
分かりました。
利用者さんによって対処の仕方は変わってくると思いますが、私はK君を担当する時はだいたい歌を歌っているか、絵を描いている事が多いです。
3回位担当した時に、1ページ漫画みたいなのを描いて実演したら笑ってくれて、ようやく心を開いてくれたような気がしました(笑)。